行政人の怠慢であるが、行政だけが悪いとは言い切れない。マンション住人が行政を軽んじているところが少なからず見受けられる。その証拠に平成七年一月一七日午前五時四六分に起きた阪神淡路大震災が挙げられる。今でも確信を持って言えるのは、当時の総理大臣村山富市は自衛隊を出すのが一日遅れたということだ。六○○○人以上の人が一月の一七日、凍える寒さのなか救済を待っていたのである。寒さに耐えきれず、瓦喋の中で三○○○人以上の人が倒れたと私は思っている。一七日中に総理が自衛隊を派遣したら被害者が半分に減っていたと確信している。今でもセミナーではこのことを必ず口にする。村山富市以外の国、兵庫県、神戸市は精一杯の救済活動をしたと頭が下がる思いである。だがマンションと行政の間にはパイプがなく、それでマンションの救済は一番最後になった。行政は全くマンションを知らないから、知っている地域を優先きせることになる。最後にマンションの救済を始めたときには、マンションの住人が地方や親戚のところに避難してしまっている。すべてのマンション住人の状況を把握するまでに九ヵ月がかかったのである。